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発達障害とことばの発達

更新日:2024年2月9日

「発達障害」という ことばを テレビやネットで 聞くことが多くなってきました。


大人の方も「実は発達障害だった」と告白していたり、

SNSの発信で「うちの子は発達障害だったー」というのも見かけます。


そもそも「発達障害」って何でしょうか。


発達障害の子ども 幼児 児童 生徒 自閉症スペクトラム ADHD  学習障害

アメリカ発祥のことば

「発達障害」という言葉は、私たち大人が子供の時にはあまり聞かれなかった言葉です。


1963年にアメリカの法律用語として誕生し、1970年代に日本に入ってきました。

大きく知られるようになったのは2005年「発達障害者支援法」施行からです。


言葉自体は50年前からありましたが、特に注目されるようになったのは2005年ごろからなんですね。


発達障害とは何?


発達障害とは、きちっと定義づけられています。

主に3つの障害の総称です。


・自閉スペクトラム症 「ASD」と言われます

・注意欠陥多動性障害「ADHD」

・学習障害「LD」


これらは重複していることもあります。



発達障害 ASD 自閉症スペクトラム LD 学習障害 ADHD 注意欠陥多動性障害

自閉症スペクトラム ASD

「社会性や対人コミュニケーションに困難さ」や「こだわり行動」といった特徴があります。興味・関心が限定的、おうむ返しのような会話、会話が成り立たない、刺激に対する敏感さ・鈍感さがあったりします。知的障害を伴うこともあります。

一部の脳内活動の弱さや脳内の情報処理の違いによるものと考えられています。


注意欠陥多動性障害 ADHD

「不注意」や「落ち着きがない」、「他人のじゃまをしてしまう」、「待つことができない」などの特性が 強くひんぱんに見られます。家庭での生活、学校生活、コミュニケーションに難しさを感じることが多いです。知的障害を伴うこともあります。

脳内のドーパミンという物質の機能障害、遺伝的要因も関連していると考えられています。


・学習障害 LD

全般的な知的発達に遅れがないにもかかわらず、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難さがみらます。特に「音読が極端に遅い、一字一字読む」「数の概念が理解できない、計算が極端に遅い」などの特徴が見られます。

行動面に課題がないことから、もじ学習がはじまる小学生になってから学習障害を疑われることが多いです。脳機能の発達の未熟さであるとされています。



ことばの発達との関係性

結論から言うと「発達障害」と「ことばの発達」には、とても関連性があります。


ご存知のように、スイッチをいれるように ことば が でるわけではありません。


生活の中で「土台になるスキル」が育ち、耳で聞いた「ことばを理解して」、相手に伝える意欲で「ことばが出る」ことにつながります。


「土台になるスキル」とは


例えば


・「 大人(親など)が発する音声に注意を向ける」

・「指差したものを一緒に見る」

・「大人の口元を見て真似をする」など


上記のような

「相手への注意、非言語コミュニケーション」は ことばの発達にとって 非常に重要なスキルです。


自閉症スペクトラムや注意欠陥多動性障害の特性から、このようなことが苦手なお子さんもいます。その苦手さから、土台になるスキルに凹(へこみ)があり、ことばを理解するのに困難さが生じることがあります。


学習障害では、特に「読む(音読)」ことに困難さを示すお子さんが多い傾向があります。

「読む」には、「ことばを聞いて1音1音を聞くチカラ(音韻意識)」、「文字を音声にするチカラ(デコーディング)」が必要になります。



言語聴覚士の個別レッスンでは

ことばの土台にアプローチします。


ことばの土台の凸凹を見極めて、効果的なレッスンを計画します。レッスンでは、弱い面が強化できる遊び(課題)を設定します。

適切なアプローチで土台のチカラをしっかりのばしてあげましょう。


お子さんのことばの発達について心配があれば、ぜひ専門家の言語聴覚士に相談してみてくださいね。適切なサポートでお子さんの成長を支えることができるはずです。


 
 
 

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